*team Tempo.Fメンバー、パーカッション木村くんプロフィールこちら
某月某日、某駅前を歩いておりましたら、こじんまりとしたリサイクルショップがありました。
近年、国道沿いに乱立している、大手のチェーン店型リサイクルショップではなくて、個人商店。
恐らくその歴史は古い。
たぬきの置物とか古道具とかが豊富なタイプ。
いつもなら足を止めることも無いかな?と思うのですが、
「そういや、ウチのレコード・プレーヤー。長いことかどうしてないよな」
なんて思いながら、目を留めたのであります。
なんで、リサイクルショップ→レコード・プレーヤーなのかってぇと、中古レコード店を巡っていた時期がありまして、その流れで、そういった小さなリサイクルショップも行程に入っていたのでありまして、ふと、そんな連想になったのですな。
まぁ、よしんば目を留めたにしても、普段なら通り過ぎていたであろうシュチュエーションなのですが、
その時は違ったのでして、非常にナイスな曲が流れていたんです。
ラテンアレンジの(恐らく)古~い歌謡曲。
どうも、歌い手は演歌歌手っぽいぞ?
そして、アレンジが良い。
吸い込まれるように店内を物色。
これは、売り物なのか否か?
ちょっといなせな初老の店主は、接客とも世間話ともつかない会話に忙しそうである。
ほな、昔を思い出して、レコード盤でも眺めてみますかな?
クリストファー・クロスやら、ジョー・ジャクソンやら、マンハッタン・トランスファーやら、いがぐり頭時代に全米チャートで中ヒットを飛ばしたラインナップ多し。
さては、売主は同世代と見た。
そうこうしてますと、あれれ、さきほど流れていたものとは、全く風合いの違う曲が。
ふむ。
どうやら有線みたいだね。
ならば、売り物ではない。
しかし、私何気にサビは頭のなかにメモっておきましたよ。
どう聴いても曲に無関係とは思えないフレーズの繰り返しだったし、手がかりにはなるだろうと。曰く…、
「めき~しか~ん、ろぉ~っく~、ご~ご~、ご~ご~…」
ほい。メキシカン・ロックね。
ほんなら、携帯で検索したらよろし。
そしたらすぐビンゴで、「恋のメキシカン・ロック/橋幸夫」がヒット。
便利な時代ですわ。
家に帰ってネットで中古CD購入ですわ↓。
これはシングル盤。
私が購入したのはアルバムでして、こちら↓。
『スイム!スイム!スイム!』
1963年~1967年のシングルを集めたアルバムのようですが、収録されている曲の中には
「ビートルズより先にステレオ録音した」
とか、
「メキシコ・オリンピックに合わせて作曲された」
とか、逸話もいろいろありそうな。。。
というような事を挙げていくと、紙幅がいくら合っても足りないので割愛。
ライナーも文字数多く、豊富な内容…のようですが、読まんと聴くのがええです。はじめは。
前置きが非常に長くなりましたが、感想を簡潔に述べますと、なんせ、音がリッチです。
音質が…ということではなくて、古き良き、フルバンドによる生演奏の豊かさに溢れてるんですわ。
ベース、ギター、ドラム、パーカッション、ホーン・セクションにストリングス、コーラス隊。
大編成。
ほんで、アンサンブルが美しいんです。
当たり前っちゃ当たり前なんですが、その美しさってのは、音の棲み分けから来てるのであって、大きな編成、一人一人の演奏者が程よく自己主張しあって一つのものを産んでる感が心地よいです。
作曲者がいて、アレンジャーがいて、演奏者がいて…、というふうに一人の頭のなかから出てきたものが、いろんな人の身体を通ってパッと広がって、一つに纏まる。
けして、「音圧が!」って感じでないのもええです。
随所に隙間があって。
当時の音楽業界での制作の現場が産んだ…、というハード面での影響も少なからずあるとは思うのですが、こういった、音作りがいつでも、どんな編成でも出来たらな~、なんて思った4◯歳の春ですわ。