ベートーベン『エリーゼのために』を弾く

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「運命の喉首をつかんでやる」

by ルートヴィッヒ・ファン・ベートーベン

 

これは1802年、彼の耳が聞こえづらくなりはじめ、

しかし交響曲第5番『運命』のスケッチを始めた頃に残した名言です。

5番は自身の感情の起伏が音楽にありありと示され始めた代表曲ですね。

 

時は遡り、本日は前に記した ➡ 「 五線譜上で、ベートーベンは言う」を、

掘り下げて書いてみましょうか〜 😉

 

そう、ピアノ曲『エリーゼのために』。

上記ブログでも記したように、ピアノを練習している人にとっては憧れの曲。

いつか弾きたい曲。

わかるわ〜。私も昔そうやった🎵

 

この『エリーゼのために』は1810年、彼が40歳の時に書かれた曲(『運命』より後ですね)。

 

有名なエピソードですが、彼は「エリーゼ」という貴族の娘に恋をし(彼女は生徒だったとも、

社交界で出会ったとも逸話はいろいろある)、お互いに惹かれあい恋に落ちる。

しかし当時の身分の違いは致命的決定打で、当然結ばれることはなかった。

『エリーゼのために』がなんとなく物悲しく感じるのは、

結ばれることはないエリーゼを想い、しかし二人で過ごした少しの思い出を噛み締めながら、

作曲したからでしょう。

 

前に記した通り、『エリーゼのために』といえば、曲の出だし。

案外、その出だしの部分しか知らない人も多いと見受けられるが、展開部が2つほどある。

 

元々『エリーゼのために』は短調。イ短調の主題が繰り返される。

それがヘ長調に展開し(明るく愛らしく感じられる箇所)、また主題に戻る。

その後、主音(この曲の場合イ短調なので、

主音はイ(ラのこと))のオルゲルプンクト(持続低音)が続く激しい展開へ移行してゆく。

そして、再び主題。

 

以上の曲の流れを知った上で聴くと、単に聴いているより、

ベートベーンの彼女への想いを伺い知ることがより出来るはず。

 

そう考えると、

 

作曲とは時にラブレターになんですよ。

 

素晴らしいですねー。

曲のラブレターですかー。

いいですねー。

素敵ですねー。

 

ところで、ベートベーンは生涯、何度も引越しを繰り返している。

それは、作曲をしている最中、興奮したり曲に行き詰まると、

ピアノの脇に水桶を用意して、そこで水浴びを繰り返したらしい。

もちろん、その水飛沫は床に派手に飛び散り、下の階に水害をもたらした・・・💦

で、当然苦情が入り、「出て行け〜〜!!」と住民を憤慨させ、

あえなく・・・引越し・・・・。

そんなご近所トラブルがよくあった。

まぁ敢えて良く言えば、非常に熱い人。

彼にはこんな逸話が実に多い(粘着質だし気難しいが、なかなかお茶目な人だった)。

だから今も愛されているんだろうし(その証拠に映画に取り上げられることも多い)、

芸術家は破天荒なくらいでちょうどいい。と思うのは私だけだろうか・・?

 

話は戻り、『エリーゼのために』。

 

この曲はいろ〜んな意味で難しい。

当然、レベル的にはきちんと基礎的な訓練を積まないと(バイエルとか、ブルグミュラーとか)、

展開部が上手く弾けな〜い。

ベダルも使うしね。

何が一番難しいかと言うと、ズバリ表現力。

ただ弾くだけならある程度練習を積めば、誰にも弾ける。

でも彼の作曲をした時の心情などを想い描きながら感情的に弾ける人はなかなかいない(アマチュアさんの場合)。

なので、私は生徒に教える時に、背景を語りながら教えています。

不思議なもので、そういう背景を知った上で弾くと、ちゃんと表現豊かに弾けるようになるんですよね。

どうも日本の教育には【感情】が抜け落ちていることが多いと見受けられるが、

上手く誘導してあげると【感情や感性】はどんどん伸びていくと思う。

あくまで、私のグラウンドである音楽のシーンでは、そう思う。

 

 

一度聴いてみて下さいませ。

この演奏はわりとソフト。

一音一音、噛みしめるように、二人の愛を確かめ合うかのように演奏されている。

私が弾くともう少し、感情的になるかな?

あ、勿論人前でピアノ演奏は披露しませ〜ん。というか出来ませ〜ん。

いつもプロのピアニストと仕事をしているので、

そういう意味でもピアニストではない私の出る幕はない!

自分のオリジナル曲ならいつか披露しましょ〜。

 

「昔ピアノ習ってた〜。」とかいう方も結構いらっしゃるかと思いますが、

もう一度、『エリーゼのために』、いかがですか?

 

音楽に【彼の感情】と【あなたの感性】を乗せて弾いてみては?

 

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